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居抜き物件のデメリット(2)
#店舗設備#物件選びのポイント2019.11.28
――前回の終わりに、まだいくつかデメリットがあるとのお話でしたので、今回のインタビューも「デメリット編」でいきたいと思います。よろしくお願いいたします。
添縁 はい。よろしくお願いいたします。
――たしか、これからご契約のオーナー様に注意してほしいこととして、「リース契約」や「造作譲渡料」、電気・ガス・水道などの「インフラ設備」のことなどがあるということでしたよね?名前を聞いただけではあまりピンときませんので、できるだけわかりやすく、順番に教えていただけますか?
添縁 はい、承知いたしました。順に説明させていただきますね。まずは「リース契約」について。これは「デメリット」というか「注意点」という方が正しいですかね。居抜き物件を契約する際には、店舗内の内装や設備、厨房機器が「リース契約」なのかどうか、必ず確認してください。設備や各種機器がきちんと動くかどうか、店舗内にある機器のどれが「リース」なのか、そして「リース契約」の年数や残額など、内容を詳細に知る必要があります。
――「リース契約」だと何か不都合があるのでしょうか?
添縁 はい。「リース契約」をした設備や機器は、あくまでもリース会社の資産(所有物)です。オーナー様はそのまま使うつもりでいたのに、退店時にリース会社が持ち帰ってしまった、譲渡されるはずのものがなくなってしまった、というトラブルが時々あるんです。なので、必ず賃貸契約前に確認する、もしくは譲渡品のリストを作成するなどして、無駄なトラブルを回避していただきたいですね。
――なるほど。リースかどうかの確認ですね。忘れないようにしないといけませんね。あと、リストを書面で作っておく方法などは、わかりやすくて良さそうですね。
添縁 はい。必ず事前に不動産会社や前オーナー様に確認することをおすすめします。
――わかりました。では、次に「造作譲渡料」というのはどのようなものでしょう?あまり聞きなれない言葉なのですが。
添縁 「造作譲渡料」というのは、居抜き物件に残されている内装や厨房設備、空調設備や什器などを新たなオーナー様が「買い取る」費用のことです。本来、閉店する店舗は原状回復させて「スケルトン状態」で明け渡さなくてはいけないのですが、冷蔵庫や調理器具、店舗の椅子やテーブルなど、使える設備をすべて撤去して破棄するのはもったいないですよね?スケルトンにするにはかなりの費用もかかりますし。なので、前オーナー様は内装・設備を新しいオーナー様に「譲りますよ?」と、提案してくるわけです。
――譲ってもらえるのなら、それはメリットになるのでは?
添縁 そうですね。うまく交渉できて、安く譲ってもらえればメリットになることもありますが、造作譲渡料は高額になるケースもあるので注意が必要なんです。造作譲渡料は、内装や設備の性能・使用年数ではなく、その店舗の価値(立地や集客力)によって決められます。また、価格設定の最終的な決定権が前オーナー様にありますので、前オーナー様のさじ加減ひとつで、価格はいくらでも変えることができるんです。
――なるほど。では、人気のある立地だと、古い内装や設備なのに高額な造作譲渡料を要求されることもある、ということですか?
添縁 はい。そういうケースも実際にあるんです。ですので、造作譲渡料に関しても事前に信頼のできる不動産会社に確認していただきたいと思います。
――わかりました。できるだけ損をしないよう、きちんと確認することが重要ですね。気を付けます。
添縁 はい。では、次に「インフラ設備」についてお話しますね。「インフラ設備」というのは、電気・ガス・水道などのことで、飲食店の開業で1番コストがかかる部分です。居抜き店舗を契約する際、「同じ飲食店だから大丈夫」と簡単に考え、カフェなど軽飲食の物件だった店舗を焼肉や中華料理などの重飲食の店舗としてオープンさせようなどと、思い切ったことをしては大変です。業種・業態によって、使う火力や電力は全く違いますから。
――なるほど。たしかに、カフェと焼肉では全然違いますよね。
添縁 はい。電気やガスの容量が足りないとなると、設備の新設や容量アップの工事が必要になりますし、厨房やトイレなど水回りの位置や動線を変更するのも大がかりな工事が必要となり、かなりの費用が発生してしまいます。ですので、自分が開業したい業種・業態に必要な火力や電力などの容量を、おおまかな目安で良いのであらかじめ把握しておくことが重要です。また、ガス管や水道管など見えない部分の瑕疵や、老朽化による故障が発生し、思いがけない出費が発生する可能性もあります。あらゆることを想定して、念入りに設備のチェックをしていただきたいですね。
――わかりました。ホントに知らないことばかりで。お話をうかがうと、色々と勉強になりますね。
添縁 ありがとうございます。ちょっと難しいお話だったかもしれませんが、どれも重要なポイントだと思いますので、気に留めていただければと思います。また、「このコラムを読んだだけではわからない」や「ちょうど悩んでいる」等、何かお困りのことがございましたら、いつでもご相談くださいませ。お待ちしております。
――はい。ありがとうございます。よろしくお願いいたします。
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